今となっては当たり前となっている天然無垢材。
しかしそのメリットはあまり知られていないことが多い。
今日は知られざる天然無垢材のメリットを紹介する。
「天然無垢材」とは
山中や森林で育んだ原木(丸太)から、
家財に用いる適度な大きさに挽き割った材料のことを言う。
古来から日本の建築文化において深く根付いており、
現存する歴史的な寺院や仏閣も
ほとんどが天然無垢材を使用した木造建築なのだ。
日本最古の木造建築物「法隆寺五重塔」を代表として
約1400年以上も無傷とは言わないまでも立ち続けている。
以上からわかるように、
天然無垢材は、耐久性に優れた材料なのである。
夏は涼しく、冬は暖かくをコンセプトに
木の断熱性能はコンクリートの約12倍とも言われるほどで、
周囲の温度に影響されにくいという特徴がある。
夏に木に触れたとしてもベタつきが少なく、とても肌ざわりが優しい。
冬はほんのり温もりすら感じることができるのである。
木造住宅ではエアコンに頼る度合いが低くなり、
身体への負担が軽減されると同時に
省エネ効果をももたらすのである。
屋内の湿度を調節する
天然の木材は、伐採された後も呼吸を続けているのである。
湿気が多くい状態であれば水分を吸収したり、
乾燥している状態であれば木の内部の水を水蒸気として
空気中に拡散するといった、いわば天然のエアコンである。
奈良の正倉院は太い木材を横にして重ね上げた校倉造りであり、
1300年近く経たった今でさえ、
院内のお宝を大事に保存し続けられているのは、
木材がもつ優れた調湿作用による賜物なのです。
ダニやカビ、細菌類にめっぽう強い
木材の精油には、ダニやカビ、細菌類の増殖を抑える
効果があると言われている。
例えば、桧葉や檜の精油成分であるヒノキチオールは、
100~1000ppmの濃度でカビ類やブドウ球菌、
大腸菌といった細菌類の増殖を抑制すると言うデータがある。
桧葉、檜、ベイヒバ、ベイスギ、赤松などは
アレルギー物質や喘息の原因である
ダニの増殖すら抑えると言われている。
木材がもつ調湿作用によって結露やカビも防止することができ、
室内の空気を綺麗にかつ快適に保つことが出来るのである。
ストレスを和らげる効果も
森林浴をすることで、リラックスして心地よくなるのは、
樹木が発する芳香成分(フィトンチッド)の働きによるものと言われている。
フィトンチッドには、人の自律神経を安定させる効果があると言われている。
この効果は樹木が伐採され、
木材となっても失われないと言われている。
木造の住居であれば室内にいるだけで
森林浴をしているのと同じ効果が得られるのである。
地震にも強い
一寸の狂いもなく建てられた木造建築の耐震性は、
鉄骨造やコンクリート造よりもはるかに強いのである。
伐採した後に充分に乾燥させた木材は、
呼吸しながらもさらに乾燥が進み強化され、
よりいっそう強度を増していくのである。
樹齢年数が高いほど強度が強くなると言われている。
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